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The early bird catches the worm.  

 最近、朝一番で映画を見ることにちょっとはまっている。
 以前は休みの日はちょっとでも長く寝ていたかった性質(
たち
だったのだが、年のせいか休みの日でも早く目が覚める。だから何か有意義な過ごし方はないかと思っていて、元々映画好きだったこともあって、すっかり癖のようになってしまった。流石に毎週というわけにはいかないが、会員になってネットでチケットを買えば500円も安いことが分かり、ずいぶん気軽に行ける。
 私の住まいからは京都の中心的繁華街の河原町まで電車で4駅。よく行く映画館は河原町通りからほど近い新京極通にあるシネコン(MOVIX京都)で、8時半に家を出れば1本目の映画に十分間に合う。新京極通は観光客でにぎわう商店街なのだが、私が映画館を目指して歩いてる時間は、ほとんどの店がまだシャッターを下ろしていて、通りはガランとしている。朝の空気の中、開店準備に余念がない人々を見て歩くのはなかなか清々しい。
 また、少々早めに家を出た日は、普段なら人が多くてまず入ろうとは思わない誓願寺や錦天満宮にもお参りすることもあり、ちょっとした散歩気分で歩ける。特に誓願寺は、「落語の祖」と呼ばれる安楽庵策伝上人ゆかりの寺で、芸事上達祈願のために訪れる人も多く、こっそりベースの上達をお願いしたりしている。もっとも、そんなお参りなんかしていないで、映画見ている時間を練習に当てる方が上達は早いのだろうが。まあ、他力本願は大乗仏教の教えの中心だし、仏様も大目に見てくださるに違いない。(他力本願の意味が違うわいって怒られるかな)
 今日見た映画は「奇蹟がくれた数式」。ラマヌジャンという、第一次世界大戦の頃に実在したインドの天才数学者とイギリスの数学者の話。その映画館に行くときは、いかにもハリウッド的な話題作をよく見ていて、そうしたちょっと地味な映画の場合は京都シネマという単館系の映画をかけてる映画館に行く方が多いのだが、今回は何となく後味爽やかな作品が見たくてこの映画を選んだ。配給会社の宣伝文句には「奇跡と感動の実話」とあったが、その語感からくるような「安っぽくて押しつけがましい感動や涙」を狙った作品ではなかった。主人公たちの生き方を淡々と描いていて、見た後にすっきりとした感動に包まれるような、今日の気分にぴったりの映画だった。見るべき価値のある一本だと思う。(公式サイトはこちら
 映画を見終わって早めの昼食を軽く摂ってから、一駅分歩くのを常としている。途中に京都文化博物館があって、そこで時々面白い展示がされてるからだ。今は吉村作治先生監修の「国立カイロ博物館所蔵 黄金のファラオと大ピラミッド展」をやっているが、それは前回見たので、今日は別館ホールでやっているであろうイベントを期待して歩いた。本館は現代的な建物だが、別館ホールは旧日本銀行京都支店で、重要文化財にも指定されているとても気持ちのいい空間。中庭でタバコも吸えるし、ちょっと気に入っている。
 前回はエジプト展を見た後、別館で学生弦楽オーケストラの無料コンサートが開かれていて楽しんだ。私が見たのは京都芸大の演奏だった。流石芸大へ通う学生だけあって水準は高く、天井の高い空間にコントラバス、チェロ、ビオラ、バイオリンなどの音がいい感じに反響し、最高の音空間になっていた。
 今日もいいものやっていればいいがと思って歩いていると、町屋を改装した小さなギャラリーの前の「小坂弦楽器工房展」という看板が目についた。気になって中に入ってみると、工房の主人らしい人が一人でギターをいじっていた。
「ちょっと見せてください」と言うとにこやかな笑顔で「どうぞどうぞ」と招き入れてくれた。
 ギターだけではなく様々な楽器が展示されていて、竪琴や革張りではない木製の板三味線といった珍しいものもあった。しかも3弦ではなく、マンドリンや12弦ギターのような金属製の二重弦を張った6弦三味線(たぶんオリジナル楽器だろう)。ネックにはフレットまで埋め込んであった。見事なインレイ(貝象嵌細工)や寄せ木細工の装飾が施されている楽器も多く、美しさに見とれながら興味津々であれこれ眺めていると、ご主人が「今すいてるし、触ってもらっていいですよ」と言ってくれたので、トイレで手を洗ってからちょっと弾かせてもらった。
 最初に手に取ったのは、もちろんアコースティックベース。いわゆるウッドベース(コントラバス)ではなく、ギター型のベース。しばらく弾いてると
「ベースを手に取ってくれる人は初めてやし、嬉しいですわ」
と喜んでくれた。
 やはり手作りの一点物は鳴りが違う気がする。アンプにつなごうかと言ってくれたが、アコースティックの響きが気持ちよくて、思わず「このままでいいです」と言ってしまったぐらいによく鳴った。夢中になりすぎて売り物だということを忘れ、ついスラップをやってしまった後で、傷がついたら大変だと青くなった。
 その後ギター(私が今までに手にしたことのある楽器の中で最高額の値がついていたので、少し手が震えた)を触らせてもらっていると、若いカップルが入ってきて可愛らしく弾き始めたので、邪魔しないようにそっと退散した。
小坂弦楽器工房のページ) 
 その後行った博物館の別館ではガラス工芸展をやっていた。吹きガラスではなくて、ガラス製の器にダイヤモンドペンでエッチングのような技法で細密な絵を描いたものだった。実物大のクジャクの羽を細部まで丹念に描いた作品や、大皿に本物の高級レースが敷いてあるのかと見まごうばかりに緻密にレースを描いた作品が特に気に入った。作品に照明をうまく当てていて、ホール全体が幻想的な空間になっていた。

 こんな時間の過ごし方をしても、朝のスタートが早いので家に着いたのはまだ午後1時半。たっぷり練習もできた。「早起きは三文の得」とはよく言ったものだ。



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Posted on 2016/11/05 Sat. 23:50 [edit]

category: エッセイ

コメント

☆海月さん

奇蹟がくれた数式は機会があればぜひご覧になってください。
期待を裏切らない一本だと思います。

映画は時々は妻も伴いますが
なかなか忙しい人でして・・・

ないちゃーれきおーず京都ツアーの際はぜひご一報を(^^)
京都は今なかなか宿がとれないようです。
外国人がとても多くて。
京都で小さな旅行社やってる社長が知り合いにいますので
ご相談に乗れると思います('◇')ゞ

URL | きしもと #s7IGOOmQ
2016/11/08 21:13 | edit

盛り沢山ですね!

朝8時半から午後1時半までにこれだけの出来事があるなんて、とっても贅沢な時間をお過ごしで…(*'ω'*)

「奇跡がくれた数式」、わたしは予告編だけで号泣でした。
観たい、観れないの葛藤です。
MOVIX会員だと1300円で行けるのですね。
夫婦価格で2200円ってのもお得ですから、今度はぜひ奥様もご一緒に…

小坂弦楽器工房さんも、ウキウキな楽器がいっぱいでそそられます。
盛りだくさんの情報発信、ありがとうございました。

ジャズフェス、琵琶湖畔を14か所回れば音楽三昧なんですね。

いいですね~、京都!(≧▽≦)
いいですね~、琵琶湖!(≧▽≦)

URL | 海月 #-
2016/11/08 09:08 | edit

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