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ベース弾きのヒトリゴト的ブログ

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秋の闖事  



【闖事】(ちん・じ)馬が突然門から飛び出してくるような思いがけない出来事。珍事・椿事と同意。

<参考> 新明解言葉辞典      


 私の場合は馬ではなかった─────



 私の住まいは京都市だが、毎朝京都市の西に位置するK市に車で通勤している。
 K市は京都市や大阪のベッドタウンとして開け、現在は人口9万人を有している。中心部は開発が進みにぎやかな様相を呈しているが、田園風景が広がる長閑な場所も多い。私の勤務地も田園地域にあり、今年の夏は熊が2度も住宅地まで降りてきて大騒ぎとなった。特に被害はなかったが、2度目は目撃者と熊との距離がほんの数mだったと聞いて怖いなと思っていた。
 私自身も、相手は熊ではないが、今夏の夕刻、混雑する国道を避け山裾の細い道を車で帰宅している時に珍しい体験をした。5頭ほどのウリ坊がじゃれあって道路上にいたのである。そのあまりの可愛らしさに思わず車を停めて眺めていると、脇にある田から刺すような視線を感じ、そちらに目をやると母親らしい大きな猪が睨んでいる。まるで
「私の子供にかまうと只じゃおかないわよ」
と言っているようで、私はウリ坊に気を付けながら、逃げるように車を発進させた。
 田園地帯とはいえ、その地域には大学もあり、たくさん人が住んでいる。暑すぎた今夏、山の食べ物が不足していたのだろうが、こんなに大型の野生動物の目撃が相次ぐことは記憶にない。
 そして夏が過ぎ日照不足で野菜が高騰している昨今、例年なら実りの秋を迎えているはずの山も、植物の生育の悪さは同じなのかもしれない・・・・

 先日、いつもの時間に通勤のため国道を走っていた。職場まであと数100mというところで、突然車の右側から茶色い大型の動物が飛び出してきたかと思うと、リアタイヤのあたりのボディに「ガン」という強い衝撃音が聞こえた。大型の犬がぶつかったらしい。
 数m走って車を停め、サイドミラーで確認すると、それは犬ではなく、なんと鹿だった。角はないのでおそらく雌鹿だ。
 あわてて振り返ると、その鹿は座ったまま首を持ち上げている。車を降りようかと思ったが、相手は手負いの野生動物。うかつに近づくのは危険と思い、そのまま様子を見ることにした。鹿もこちらを見ている。その様子は何とも言えず不安げに見えた。
 しばらくすると、鹿は立ち上がり山手の方へ駆けて行った。足を引きずっている様子もないので少し安心した。
 見つめあっていた時間は、実際は数秒だったのだろうがずいぶん長く感じた。

 その事故現場のすぐ先に交番があるのを思い出し、立ち寄ったが警官は不在だったため、職場に着いてから電話で警察署に事故の報告をした。車は意外なことにまったく無傷だったが、手負いの鹿による二次災害が起きては大変だと思ったからだ。

 動物は高速で近づいてくる車が自分に向かってくると勘違いし、逃げようと思って飛び出してくることがあるという話は聞いたことがあったが、実際に体験するとは思いもよらないことだった。
 その後、鹿が出たという話は聞かないし、無事に山に帰ったのだと思うが、大きな怪我をしていないことを願う。
 山に棲む様々な動物たちは、今年の冬をうまく乗り切れるのだろうか。



後日譚──というほどでもない補足的記述

susuki そんなことがあってから、なんとなく山の様子が気になっていて、今週末周山街道から大原の里へ抜ける山道を車で走ってみた。そこは私の勤務地を取り囲む山ではないが北山杉の林を抜ける、お気に入りの道だ。
 木々は少し色づき始め、農家の庭先の柿はたくさん実をつけていた。動物たちが冬支度をするのに十分な実りが山中にあるのかどうかまではわからないが、私の心配をよそに山の風景は例年と変わりなかった。

 きれいなススキの群生を見つけて写真に収め、私は少し明るい気持ちになって帰途に就いた。






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Posted on 2016/10/23 Sun. 17:47 [edit]

category: エッセイ

ハプニング  

 お久しぶりです。私は相変わらずの日々を送っております。


 出演が決まっているジャズフェスティバルが目前に迫った、日曜日の朝。10時から始まった直前リハはお昼の2時に終わり、ミーティングを兼ねた打ち上げは、昼間からやってる鉄板焼屋で。いつものことながらメンバーと飲む酒はうまくて、ついつい杯が進み、案の定べろべろになった。
 7時半ごろに解散となり、大津市瀬田駅からJRに乗って京都駅に着いたのが8時ごろ。
 いつものように京都駅構内にある喫茶でコーヒー飲んで一息入れた。
 改札を出て、目の前にそびえる京都タワー前のバス停から自宅方面に向かうバスに乗った。
 座席に着き、ふと、財布を入れてたベースケースのポケットに目をやるとジッパーが開いてる。中を確かめてみると財布がない。
「え?落としたか?
────まあいいか・・・・・・ アイホンケースにイコカは入ってるし・・・・・・・
あかんあかん!キャッシュカードや免許証入っとるがな。何よりあの財布は思い入れのある大事な財布。とりあえず喫茶に戻ろう」

 発車時間待ちで停まっていたバスから飛び降り、機材を入れたバッグやベースの重さに閉口しながら駅構内へと走った。
「こういう時、イコカは改札スルーできて便利やな」
などと、相当ピントがずれた考えが頭をよぎるところを見ると、まだずいぶん酔ってるらしい。
 喫茶は駅の高架の通路にある。エスカレータを駆け上がる、楽器担いだ血相を変えたおっさんの姿は、周囲の人の目にはどう映ったろうか。

 喫茶店に入り、座っていた座席のあたりをきょろきょろするが、既に別の客が座っていて、怪しむ視線を投げかけてくる。カウンターの向こうにいるお姉ちゃんに
「あの──、緑色の財布、落ちて───」
と息を切らせながらここまで喋ったときに、彼女は素敵な微笑みを返してくれた。
「ああ。ハイハイ。」
と言いながら彼女の後ろの棚に置いてあった私の財布を出してくれた。
「これですね。岸本さん」
どうやら、中の免許証をすでに確認していたのだろう。彼女は少し笑いをかみ殺しながらそう言って、財布を返してくれた。汗流して息を切らしながら焦ってるおっさんは、相当に面白かったのだろう。
 心のどこかで半分あきらめかけてたので、すぐに手元に返ってきたことがめちゃくちゃうれしくて
「うわ~、よかった~。おおきに、おおきに」
と、何度もこのセリフを繰り返した気がする。
 その間、その娘はずっと微笑みながら私を見ていて、思わず抱きしめたくなったが、幸い彼女と私の間にはカウンターがあって、通報されるようなことは起きずに済んだ。


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Posted on 2016/10/04 Tue. 23:46 [edit]

category: エッセイ

thread: 大津ジャズフェスティバル - janre: 音楽

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